――となると、二号活字を思切つて使つた、誇張を極めた記事が、賑々しく埋めてある。フフンと云つた様な気持になる。若しかして、記事の排列の順序でも違つてると、「永山の奴仕様がないな、いくら云つても大刷校正の時順序紙を見ない。」などと呟いて見るが、次に「毎日」を取つて見るといふと、モウ自分の方の事は忘れて、又候フフンと云つた気になる。「毎日」は何日でも私の方より材料が二つも三つも少かつた。取分け私自身の聞出して書く材料が、一つとして先方に載つて居ない。のみならず、三面だけにルビを附けただけで、活字の少い所から仮名許り沢山に使つて、「釧路」の釧の字が無いから大抵「くし路」としてあつた。新聞を見て了つて、起きようかナと思ふと、先づ床の中から両腕を出して、思ひ切つて悠暢と身延をする。そして、「今日も亦社に行つてと……ええと、また二号活字を盛んに使ふかナ。」と云ふ様な事を口の中で云つて見て、そして今度は前の場合と少し違つた意味に於て、フフンと云つて、軽く自分を嘲つて見る。「二号活字さへ使へば新聞が活動したものと思つてる、フン、処世の秘訣は二号活字にありかナ。」などと考へる。

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